「まだ、熱が高いんですよ。さっさと寝る!」
「だって!」
「だってじゃありません。そんなに動き回れるなら元気だとみなして帰りますよ」
「それは、嫌だ」
「じゃぁ、大人しくベッドに戻ってください」
「……でもさ」
東海道から離れたくないと、体全体で表現する山陽に東海道が折れた。
相手は病人なのだからと、誰に対してなのか、自分の中で言い訳をして、山陽の手を引いて寝室へと連れ戻す。
布団を捲って山陽に横になるように促して、額のひえピタを張り替える。
そのまま出て行ってしまうのだろうと、諦めて布団に潜り込もうとする山陽を呼び止めた。
「じゅにあ?」
「俺、今日から三日間休みなんです。アンタの熱が下がったら好きなだけ一緒にいますから」
そう言って、東海道は山陽の鼻先にちゅっと音を立ててキスをする。
「俺に移ると困るんで、今はこれで我慢してくださいね」
驚きに固まる山陽の肩まで布団をかけて東海道はキッチンへと戻った。
「……やられた。熱、上りそ」
熱のせいだけでない、赤くなった顔を誰に見られる訳でも無いが、隠すようにして布団に潜り込む。
ドキドキが収まらない山陽の熱がいつ下がるかは、誰も知らない。
[0回]
PR